腸内フローラ移植を受けられたNさんにインタビューをさせていただきました。
夜勤を含む忙しい生活や食事の乱れなどによるお腹の不調に苦しみながらも、腸内フローラ移植(便移植)を受けてみようと決意された経緯や、その後の生活や食事の変化についてお話を伺いました。
プロフィール
疾患名: 過敏性腸症候群
移植期間: 2024/08/22〜2024/09/05
移植回数:移植 3回コース
移植担当医療機関:ルークス芦屋クリニック
インタビュー
まず、移植を受けようと思ったきっかけは何ですか?
Nさん:もともとお腹の調子が悪くて、ガスが多く、お腹が張ってずっとつらい状態でした。仕事も夜勤がある為、生活や食事の時間が不規則だったことも影響していると思います。
腸内フローラには以前から興味があったので、コロナで仕事を辞めて時間ができた時に、城谷先生の記事を見つけて、受診してみようと思いました。
腸内フローラとご自身の不調に関係があると思われたんですね。当時はまだ、今ほど一般的ではなかったと思いますがどうでしょうか。
Nさん:そうですね。でも、SNSとかで目にする機会も増えて、昔より身近に感じるようになっていました。
費用もそれなりにかかりますが、実際に移植を決めた理由は何ですか?
Nさん:城谷先生のところで、前処置がないことや、感染対応をしっかりされていると説明を聞いたのが大きいです。それに、手軽に受けられるのも魅力でした。
改善する可能性があるなら、もちろん費用は決して安くはありませんが、車一台買うくらいの気持ちで試してみようと思いました。
前処置がないことが、大きかったのですね。
Nさん:そうですね。他の大学病院での治療法も聞きましたが、「抗生剤で腸内細菌を減らす」と聞いて、ちょっと抵抗があり、それはしない方がいいと思いました。
移植後の変化はいかがでしたか?
Nさん:以前よりはお腹の不調を感じにくくなりました。ただ、生活パターンが大きく変わったことも影響しているかもしれません。以前は夜勤のある仕事をしていましたが、今はストレスの少ない環境で、自分のペースで生活できるようになりました。従来は、ストレスに弱く過敏に反応する方なのですが、移植の効果か、環境が変わったからなのかの判断は難しいですが、移植後のフローラバランス検査では菌の多様性は増えたと言われました。
移植後の食生活で気をつけていることはありますか?
Nさん:以前より食生活に気を付けるようになりました。菓子パンを減らすように心がけています。できるだけ魚を食べるようにしていますが、週に2回くらいです。肉を食べる際は、鶏肉など脂肪分の少ないものを選んだり、大豆製品を選んだりする様にしています。良いものを積極的に摂るよりも、悪いものを食べないように気をつけています。ただ、職場の休憩室におやつがあって、ついつい手が伸びてしまうのが悩みです。
さつまいもなど、ヘルシーなおやつをリクエストするのもいいですね。 具体的にはどんなものを食べていますか?
Nさん:朝食は、黒ゴマ麹を豆乳に入れた豆乳ラテと、バナナを食べることが多いです。昼食は、作り置きしている野菜と根菜、鶏むね肉など、さっぱりしたものを食べるようにしています。城谷先生に根菜を食べるように勧められているので、作り置きするようにしています。夜は自由に食べていて、良い玉子を1日に1~2個食べる様にしています。
最後に、睡眠についてはいかがですか?
Nさん:それが、今まで出来ていなかったやりたいことがたくさんあり、ついつい夜更かししてしまいます。寝落ちしたときに最後に手に持っているのはスマホだったりするので気をつけます。睡眠時間のコントロールが今後の課題ですね。
腸内細菌たちも22時から2時がゴールデンタイムと言われています。質の良い睡眠は体の細胞を修復し、健やかな毎日を送るためにもとても大事です。睡眠やお食事のことは、十分に気を付けておられると思いますので、いい方向に向かっていらっしゃると思います。ぜひこれからも菌たちとなかよく暮らしていただければと思います。
Nさんが腸内環境改善のために取り組まれていること
・職場を変えて、生活パターンが改善されて、ストレスも少なくなっている。
・菓子パンを減らすように心がけている。
・週2回魚を食べるようにしている。
・お肉は、鶏肉など脂肪分の少ないものを選んでいる。
・勧められた根菜を使った食事を作り置きしている。
最後に
Nさんは、ルークス芦屋クリニック院長・城谷先生の記事を見つけて受診をされました。費用としては高額と感じられていましたが、移植の前処置が不要で「改善の可能性があるなら、試す価値はある」と移植を決意されたとのことです。
実際に移植後は、お腹の不調を感じなくなったとのこと。ただし、夜勤がある職場からストレスの少ない環境に変わったことも影響しているため、効果の実感度合いには個人差や生活習慣の変化が大きく関与すると考えられます。一方で、移植を機に食生活や睡眠をより意識するようになったそうです。
治療効果にはあくまでも個人差があるため、「必ず改善する」とは限りませんが、Nさんのように「生活習慣の見直しと併せて取り組む」ことが、より良い結果をもたらす鍵になる可能性があります。
もし腸内フローラ移植を検討している方は、まず専門の医師に相談し、ご自身の体質や生活状況を踏まえたうえで選択されると安心です。
Nさん、インタビューにご協力いただきまして誠にありがとうございました。