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症例別FMT過敏性腸症候群

腸内フローラ移植 体験談 5 根本治療につながる可能性があるなら 過敏性腸症候群

過敏性腸症候群

2025.04.17

腸内フローラ移植(便移植)を受けられたKさんにインタビューをさせていただきました。

過敏性腸症候群や便秘症をはじめ、自閉スペクトラム症(ASD)やアレルギー、膠原病、不眠症、不定愁訴など、さまざまなお悩みを抱えながらも腸内フローラ移植(FMT)に踏み切られた経緯や、その後の生活習慣の変化や実感を伺いました。

プロフィール

・疾患名:
過敏性腸症候群/便秘症/自閉スペクトラム症/アトピー・アレルギー/膠原病全般/不眠症/不定愁訴

・移植期間:2024/03/27〜2024/04/24

・移植回数:3回コース

・移植担当医療機関:グレースメディカルクリニック

インタビュー

まず、腸内フローラ移植(FMT)について、どのように知りましたか?

Kさん:自分の不調の原因を色々と調べている中で、便移植という治療法があることを知りました。人の腸内細菌を移植するという方法には抵抗はありませんでした。ワクチンみたいなイメージもあり、興味を持っていましたね。日本で移植を受けられるところはないかと探している時に、腸内フローラ移植臨床研究会のサイトを見つけました。そこから「自宅近くで腸内フローラ移植が受けられるところはないかな」と思い、グレースメディカルクリニックさんを受診することにしました。

実際に移植を受けようと思った決め手は何でしょうか?

Kさん:ノーベル生理学・医学賞を受賞したリュック・モンタニエ博士の理論(様々な原因不明の病気の原因は、おそらく顕微鏡でも検出できない細菌である)、及び博士の研究によって大腸菌が体の様々な不調に関与していることを知って「移植を受けてみたい」と思っていたので、費用は正直安くはありませんが、根本治療につながる可能性があるなら移植を受けてみようと思いました。

医療機関を受診して、腸内フローラバランス検査を受けていただきましたが検査結果はどう感じられましたか?

Kさん:以前から私はASDだと思っていましたが、便検査でASDの可能性があると説明していただきました。人とコミュニケーションをとることが苦手で、相手が何を言っているか理解しにくいと思うことが多かったです。症状が重度ではなかったので、なかなか診断もつきませんでした。感覚過敏は移植で大きく変わったということはないですが、痛みが軽減されて以前よりも辛く感じることがなくなりました。

実際に移植を受けてみて、主な変化はいかがでしたか?

Kさん:移植前は、過敏性腸症候群や皮膚疾患、慢性疲労などの疾患に悩まされていました。移植期間中に大きな変化を感じることはありませんでした。移植後、数日間は疲労感が一時的に軽減しましたが、その後は疲労を感じることがありました。他には、移植直後に頭痛を感じることもありましたが、1日で治りました。

しかし、移植終了後は肛門の圧迫感や痛みが以前より軽減して、健康になったと思います。強迫観念や過度な心配も減りました。筋肉と関節の痛みについては、痛み止めの薬を飲まずに我慢して過ごせるようにもなりました。ただ、ASDの症状や皮膚の症状に対しては、大きな変化はありませんでした。

また、伊藤先生から「水をしっかり飲むように。」とアドバイスをいただき、それを続けていることで体調が良くなっていると感じています。

ただ、移植と並行して、機能性医学に関する本に書かれていたサプリメントなどを継続的に摂取していたため、移植後の変化については、移植がどこまで影響を与えたのかは分かりません。

ほかにも実施されているセルフケアや生活習慣はありますか?

Kさん:サプリメントやプロバイオティクスを毎日摂取しています。野菜を中心とした食生活を意識して、水をしっかり飲むように心がけています。睡眠はどうしても夜更かししてしまうことが多いので、スマホを寝室に持ち込まないなどやっていきたいと思います。

移植を受けてみて、全体の印象や今後についてはどう考えられていますか?

Kさん:移植をしてよかったと思います。全ての症状が劇的に改善するわけではありませんが、排便時の痛みなど一部のつらさが軽減したのは大きいです。移植については、今後も定期的に続けていきたいと思っています。

移植の費用は高いと感じますが、病気の根本治療をしたい方には向いていると感じています。

Kさんが腸内環境改善のために取り組まれていること

• 野菜を中心とした食生活
• 水をしっかり飲む
• サプリメント・プロバイオティクスの継続的な摂取

最後に

Kさんは、長く続く不調を少しでも良くしようと、いろいろな方法を試してこられました。腸内フローラ移植を受けた結果、すべての症状が一気に改善したわけではないものの、肛門の痛みが軽くなる、強迫観念や過度な心配も減るなど「以前より辛くなくなった」と感じているそうです。

一方で、サプリメントや栄養管理なども同時に行っているため、どの取り組みがどの程度効果をもたらしているのかははっきりとはわからない部分があるとのことです。それでも、Kさんご自身は「病気の根本的なケアのひとつ」と考えており、今後も定期的な移植を検討されています。

なお、Kさんのように腸内フローラ移植を受けた方の中には、「変化を感じられた」という方もいれば、「あまり変化がなかった」という方もいます。いずれの場合も、食事の見直しや十分な水分補給、睡眠の質の向上など普段の生活習慣を見直し、腸内フローラ移植をきっかけに「腸内細菌と共に生きる」ことを意識していただければ嬉しいです。

もし腸内フローラ移植に興味がある方は、まずは専門の医師に相談し、ご自身の体質やライフスタイルに合った方法を一緒に考えてもらうと安心です。

Kさん、このたびは貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

※本記事はあくまでKさん個人の体験談です。結果には個人差があり、すべての方に同様の効果が得られるわけではありません。具体的な治療内容等については、医療機関で十分にご相談ください。

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