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用語説明、他のFMTとの比較図

用語説明

腸内フローラバランス検査

腸内フローラバランス検査とは、次世代シーケンサーという最新の遺伝⼦解析装置を⽤いて、糞便中に含まれる微⽣物の遺伝情報(16S rRNA遺伝⼦)が含まれる箇所の塩基配列を読み取り、菌群分類データベースと照らし合わせることで、主に腸管内に生息する菌種を推定する方法です。この腸内フローラバランス検査は、被験者の健康状態を医学的に診断するものではありません。

腸内細菌(叢)の移植

腸内細菌(叢)の移植とは、崩れてしまった腸内細菌叢のバランスを整えるため、健常人の糞便から得た腸内細菌叢を、患者さんの腸内に直接注入することを指します。(学名:糞便微生物移植、FMT)腸内細菌(叢)の移植は、腸内フローラバランス検査を実施した後に行うことが多いです。

菌液

菌液とは、腸内細菌(叢)の移植のためのドナーバンクJapanbiome(ジャパンバイオーム)から提供された便を、適切な溶媒に懸濁した溶液のことです。腸内細菌(叢)の移植では、この菌液を患者さんの腸内に直接移植します。ここで用いられる溶媒は、後述のNanoGAS®水が使われています。

NanoGAS®水

NanoGAS®水とは、目に見えない微細な泡を含んだ腸内細菌(叢)の移植のための「特別な水」です。
腸内細菌(叢)の移植においては、NanoGAS®水の微細な泡の特性を利用することで、本来ならIgA(免疫グロブリンA)等の自己免疫機能に阻まれてうまく棲み着くことができない、とされていた他人の腸内細菌を効果的に定着させるために開発されました。

便バンク

便バンクとは、便移植の為の安全なドナー便を医療機関に提供することを目的とした組織です。複数の医療機関が便バンクを介して便ドナーを共有することで、より効率的かつ安定的に安全なドナー便を供給することが可能となります。

Japanbiome(ジャパンバイオーム)

Japanbiome(ジャパンバイオーム)とは、国内で唯一民間が運営する、腸内細菌(叢)の移植のためのドナーバンクです。
所属するドナーは、厳しい検査基準をパスしたボランティアたちで構成されています。
ジャパンバイオームのドナーは、血液検査や便検査に加え、生活習慣や厳しい問診を定期的にパスし続けているドナーに限定されています。 Japanbiomeでは、ドナーの日常生活調査や血液・尿・便検査に加え、臨床医からリアルタイムに共有される患者さんの状態を個別に、また統計学的に分析することで、患者さん単位や症状ごとに、理想的なドナーの選定を容易にすることを目指しています。

リバウンド

腸内細菌(叢)の移植における「リバウンド」とは、ご自身の免疫力が、外からやってきた他人の腸内細菌とご自身の腸内細菌との違いを認識する際に、一時的に混乱してしまう現象のことで、ダイエットの「リバウンド」とは意味合いが異なります。
特に、17~18歳頃をピークに、若い方は免疫の学習能力が高いため、新しい腸内フローラバランスが自分のモノになる(定着)まで、リバウンドによる体調の波がしばしば認められます。これは移植した腸内細菌がきちんと腸管に届いた証でもあります。複数回の移植を短期間で計画的に行うことで、このリバウンドによる体調の変化は起こりにくくなります。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは、主に大腸の粘膜に慢性の炎症、または潰瘍をひきおこす原因不明の疾患の総称のことです。特徴的な症状としては、血便を伴うまたは伴わない下痢とよく起こる腹痛です。原因については、これまでに腸内細菌の関与や本来は外敵から身を守る免疫機構が正常に機能しない自己免疫反応の異常、あるいは食生活の変化の関与などが考えられていますが、まだ詳細はわかっていません。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは、通常の検査では腸に炎症・潰瘍・内分泌異常などが認められないにも関わらず、慢性的に腹部の膨張感や腹痛を訴えたり、下痢や便秘などの便通の異常を生じる症候群です。腸の内臓神経が何らかの原因で過敏になっていることにより、引き起こされると考えられています。

自閉スペクトラム症

自閉スペクトラム症とは、多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害のことで、人口の1%に及んでいるとも言われています。重症度は様々ですが、言葉の遅れ、反響言語(オウム返し)、他者との人間関係がうまく構築できない、会話が成り立たない、格式張った字義通りの言語など、言語やコミュニケーションの障害が認められることが多いと言われています。

アレルギー

アレルギーとは、人間の身体に備わっている免疫力が、ある特定の異物(ダニやスギ花粉、食物など)に対して過剰に反応し、免疫学的な機序によって身体に何らかの症状が引き起こされることを指します。

便秘症

便秘症とは、基本的には72時間以上排便が無い状態を指します。便の回数が少ないか、出すときに痛みや出血があったり、お腹に不快感を覚えたりすることがあります。よく見られる症状には排便回数の減少や、残便感、腹痛、腹部膨満感(お腹が張る感じ)、食欲不振などがあります。ただし、排便回数は人により異なり、排便に苦痛を感じなければ便秘とはいいませんが、毎日便がでていても「排便困難」があれば便秘症となります。

自律神経失調症

自律神経失調症とは、ストレスなどが原因で、自律神経である交感神経と副交感神経のバランスが崩れた結果生じる、様々な症状のことです。自律神経は、交感神経と副交感神経という逆の働きをする2つに分かれており、互いにバランスを取りながら身体の状態を調節しています。しかしこのバランスが崩れると、全身的症状として、だるい、眠れない、疲れがとれないなど、また器官的症状として頭痛、動機や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、下痢、便秘、冷えなどの症状に加え、精神的症状として、情緒不安定、イライラや不安感、うつなどの症状が現れることがあります。

有害事象と副作用

有害事象とは、新しい治療法を患者さんに実施した後に観測される、患者さん自身のあらゆる健康状態の悪化のことです。副作用と有害事象の違いは「実施した治療方法との因果関係の有無」です。有害事象は「治療方法との因果関係の有無は問わない」、副作用は「治療内容との因果関係が存在する」という違いがあります。

他のFMTとの比較図

NanoGAS®-FMTと一般的なFMTの安全性と効果の比較

The safety and efficacy of NanoGAS®-FMT vs. conventional FMT

評点と評価基準

  1. A:投薬の有無
  2. 移植の前も後も投薬は無い
  3. 予防目的などの処方箋が出る
  4. 移植前に単発の投薬がある(楽)
  5. 移植前に長期の投薬がある(楽)
  6. 移植前に単発の投薬がある(苦痛)
  7. 移植前に長期の投薬がある(苦痛)
  1. B:下剤投与の有無
  2. 下剤の投与は無い
  3. 移植後に下剤投与がある(楽)
  4. 移植前に下剤投与がある(楽)
  5. 移植後に下剤投与がある(苦痛)
  6. 移植前に下剤投与がある(苦痛)
  7. 移植前と後に下剤投与がある
  1. C:移植時の侵襲性
  2. ゴムの腸カテーテルを用い5分程度動けない(楽)
  3. ゴムの腸カテーテルを用い10分程度動けない(苦痛)
  4. 大きなカプセルを沢山飲まされる苦痛(楽)
  5. 大きなカプセルを沢山飲まされる苦痛(苦痛)
  6. 大腸内視鏡などを用い30分程度動けない(苦痛)
  7. 大腸内視鏡などを用い60分程度動けない(苦痛)
  1. D:移植に対する不安感
  2. 外来で受ける点滴感覚で不安や緊張感はない
  3. 外来で受ける点滴感覚だがやや不安や緊張感がある
  4. 特別な部屋ではないので緊張しない
  5. 特別な部屋ではないが緊張する
  6. 手術同様の不安や特別な部屋だが緊張感なし
  7. 手術同様の不安や特別な部屋での緊張感あり
  1. E:移植後の実感
  2. 明らかに効果があるように感じる
  3. 中程度効果があるように感じる
  4. 若干効果があるように感じる
  5. 本人は効果を感じないが他人が明らかな変化を感じる
  6. 本人は効果を感じないが他人が変化を少し感じる
  7. 本人が全く効果を感じない
  1. F:効果の持続性
  2. 効果が二年以上持続している
  3. 効果が一年以上持続している
  4. 効果が半年以上持続した
  5. 効果が数か月間持続した
  6. 効果が数週間持続した
  7. 数日で効果が失われた

関連サイト

医療従事者向けサイト

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