知的障害をともなう自閉スペクトラム症のお子さんのご家族に、患者さんの声をいただきました。
「好き嫌いが減りほとんど何でも食べられるようになっただけでなく、精神的に安定し、目つきや雰囲気が変わった。」とお答えいただきました。
【プロフィール】
疾患名:知的障害をともなう自閉スペクトラム症
移植期間:2021年6月14日~9月6日
移植回数:6回
移植担当医療機関:医療法人仁善会 田中クリニック
連携医療機関:こいでクリニック
Q1.当研究会の腸内フローラ移植を受ける決め手となった理由は何ですか?
腸内細菌の詳細は分からないが、「脳腸相関」は事実としてあるようですし、多様性の欠如が自閉症の症状にあらわれているのではないかと推察しました。
栄養療法と並行して行うと効果があると、主治医の先生に勧められたので決心しました。
Q2.移植申込から移植終了後まで、医療機関の説明やサポートは十分でしたか?
研究会とのやり取りは、ネットが中心だったので、対面で相談できる場があればいいなと思った。特に、自閉症の症状や変化などは、本人を見ずに、文字による表現だけではわからないことが多いので。
Q3.移植を経て、お悩みのご症状がどのように変化しましたか?
栄養療法と並行して移植を行った結果、食生活が随分と改善された。好き嫌いが減り、ほとんど何でも食べれるようになった。
精神的に安定し、目つきや雰囲気が変わり、LEGOブロックなど今までしなかった遊びに興味を示すようになったりした。相変わらずこだわりは強いが、意識が明瞭になって意思表示がはっきりとし、細かいところに気が付く。
てんかん発作は(移植直後を除いて)、今のところはない。
Q4.移植によってご自身の仲間となった腸内細菌たちを維持するため、移植後も心がけている生活習慣や考え方があればぜひ教えてください。
菌は食物繊維が大好きということなので、野菜をしっかりと食べるようにしている。スナック菓子や麺類を減らし、ナッツ類をおやつにし、ご飯は5分づきで、補助食品としてプロテインとビタミンB群のサプリを飲んでいる。
人間も自然の一部なので、生活環境は大切だと思い、週末は家族で自然農法の畑で土に触れる生活をしている。野菜はそこで採れた有機栽培の野菜を多く食べている。
Q5.これから移植を行う方、移植を迷っている方にひと言お願いします。
移植や食事療法は、主体的に自分自身がやっていかないと続かないので、人に言われたからというのではなく、自分で納得がいくまで情報を集めて、考えて、生き方の一つとして選択されればいいかと思います。
Q6.移植の便を提供したドナーへメッセージをお願いします。
先んじて、腸内細菌の大切さに気付き、健康な菌との共生を進める為に、行動に移し提供してくださったことに、心から感謝いたします。勇気ある行為だと思います。
Q7.その他、ご感想やご意見・ご要望等何でもお聞かせください。
これからも、研究を進め、学術大会や発表会、勉強会、患者さんたちの交流の場など、より多くの人に情報が提供されますように頑張ってください。