便秘や偏食、集団行動が苦手など自閉スペクトラム症に悩まされてきたT様とご家族。
排便困難や便秘傾向があり、気分によって集団活動に参加しない等の症状があったそうです。
そんなT様のご家族に、腸内細菌叢移植後の変化や通院中に気がついた点について伺いました。
【プロフィール】
男児
疾患名:自閉スペクトラム症
移植期間:2023年5月15日~6月19日
移植コース:移植6回
移植担当主治医:ルークス芦屋クリニック
移植後の診断:症状の中程度の改善
Q1.全6回の腸内細菌叢移植(以下FMT)を受けられてから3ヶ月が経過しましたが、お子さんの様子はいかがでしょうか?
調子がとても良さそうです。特にメンタル面では非常に安定していて、以前より落ち着いてきたと感じています。時々嫌なことがあったりもしますが、それは小学校1年生なら普通にあることだと思います。
以前のように「些細なことに耐えられない」といった様子はもうなくなりました。むしろ、多少自分が苦手なことでも、嫌なことでも、積極的に取り組もうとする意欲が感じられるほどです。本当に成長がぐんと早くなったと感じています。
Q2.お子様の排便状況に関して具体的にどのような変化を感じられましたか?
大きな変化を感じています。以前は4、5日我慢するのが当たり前だったのですが、今では1日おきくらいに排便があります。長くても、3日も出なければ苦しいと感じているくらいです。
自力で、トイレで排便ができるようになったというのは、本当に大きな変化だと思います。
Q3.FMTのために通院される際、お子様の様子や対応について何か気づいたことや課題などはありましたか?
最初のうちは慣れなくて抵抗がありましたが、途中から自分自身でも調子が良くなっていると感じたようです。処置の直前にはちょっと嫌がることもありましたが、行くこと自体には前向きでした。自分から「明日は病院に行く」などと言ってくれていたので、通院のために工夫する必要はありませんでした。看護師さんのバイタルチェックのときにも協力的で、どんどん慣れていってくれました。そういう意味では、安心して見ていられました。
ただ、多動の傾向があるため、他の患者さんがいるにもかかわらず診察室に入ろうとしたりすることがあり、申し訳なさを感じることもありました。
Q4. FMTに関して、一般の方々にもっと分かりやすく伝えるためには、どのような工夫が必要だとお考えですか?
専門家の方が見れば、仕組みを理解できると思うのですが、一般の方にとっては『これは一体何なのか』という疑問が多いと思います。もう少し一般の人にも分かるような『これをしたらこうなる』という分かりやすい解説や説明があれば、より安心してFMTを選択できるのではないかと思いました。