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症例別FMT自閉スペクトラム症(ASD)

【お手紙】息子にとって可能性が広がった

自閉スペクトラム症(ASD)

2023.09.05

自閉スペクトラム症のお子さんとそのご家族に、お手紙をいただきました。

ご本人からは、「家族から『勉強中、独り言を言わなくなったね』と言われ、自分でも今までより集中できるようになったと感じています。そういう時、僕は『腸内フローラが応援してくれているのかな』と嬉しくなります。」と教えていただきました。

【プロフィール】
男児
疾患名:自閉スペクトラム症
移植期間:2023年3月28日~4月22日,2023年8月8日〜2023年8月29日 
移植回数:3回、追加3回 
移植担当医療機関:かわいクリニック

1.ご本人からのお手紙

※一部抜粋

僕は中学3年生です。今年の春休みと夏休みに腸内フローラ移植を受けました。

1回目はちょっと不安で、病院についてベットに寝てからも緊張して「痛くないですか?」と聞いてしまったけど、川井先生や看護師さんが「細かいチューブだから痛くないよ」と実際に見せながら説明してくれて、安心しました。やってみると、ちょっと違和感はあったけど、全然痛くはなくて、先生に「大丈夫?」と聞かれたときも「大したことありません」と言いました。本当にあっという間に終わってびっくりしました。

僕は勉強が苦手で、難しい問題をやるときはイライラして独り言をすごく言ってしまいました。でも移植してから、家族から「勉強中、独り言を言わなくなったね」と言われ、自分でも今までより集中できるようになったと感じています。そういう時、僕は「腸内フローラが応援してくれているのかな」と嬉しくなります。

2.ご家族からのお手紙

※一部抜粋

ASDには親の関わり方が大事だ、と言われ、幼少期から悩みながら手探りで息子を育ててきましたが「腸内フローラ」の話は病院でも療育でも聞いたことがありませんでした。

しかし、研究会からの様々な発信(YouTubeなど)や昨年の学術大会のパネルディスカッションや講演を家族で拝見し、移植を受けられたご家族が変化を感じておられることに感動し、息子本人にも腸内フローラ移植のことを説明し、決断しました。

初めてのことへの不安感が強い息子にとって、移植はハードルが高いのでは…と心配でしたが、いざ受けてみると「もう終わったの?」というくらいすぐに終了しました。

移植中から感じられた変化としては、ストレス状態での独り言、同じ質問のくり返し、不安感が激減したことです。ソワソワした感じも減り、生活が全体的に落ち着いたという印象です。

塾に通うことも、勉強を教えてもらうことも息子には無理だとあきらめていましたが、息子にとって可能性が広がったことをうれしく思っています。

子どもから大人へと成長するこの時期に、腸内フローラ移植に出会えて本当によかったです。日々ご尽力いただいている方々に感謝申し上げます。

腸内フローラ移植がASD児や家族にとっての選択肢として広まることを心から願っています。

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