起立性調節障害による倦怠感と不調に長く悩まされ、機能性医学やオーソモレキュラー栄養療法で症状を軽減させつつも完全には治らないと感じていたSさんのお母さん。治療法を模索する中で出会ったのが腸内フローラ移植(FMT)でした。Sさんのお母さんとSさんご本人にお話をお伺いしました。
プロフィール
・疾患名:小腸内細菌異常増殖症(SIBO)、自律神経失調症、慢性疲労症候群
・移植期間:2025/3/14〜2025/04/19
・移植回数:6回コース
・移植担当医療機関:ルークス芦屋クリニック
インタビュー
腸内フローラ移植という治療法を、どのようにして知ったのですか。
Sさんのお母さん:
機能性医学や分子栄養学を学びながら さまざまな治療を試しても思うような改善が得られませんでした。治療を進める段階で消化酵素が出ていないことが大きな課題だったのですが、調べていくうちに最終的にルークス芦屋クリニックの腸内フローラ移植に行き着きました。
当研究会の腸内フローラ移植を受けようと決めた理由を教えてください。
Sさんのお母さん:
起立性調節障害に対し、機能性医学やオーソモレキュラー栄養療法で症状は半分ほど改善しましたが、完全には治りませんでした。食事内容によって体調不良が生じ、「腸内フローラが少ないのでは?」と感じたのでフローラ検査を受け、その結果から移植をすることにきめました。
移植を経て、お悩みのご症状がどのように変化しましたか?
Sさんのお母さん:
移植前は、運動した翌日、気圧や雨天、食事内容特に甘い物や油物、ニンニク料理の翌日は頭痛、吐き気、めまい、腹痛などで体を動かす事ができませんでした。また、甘い物、油物を食べた翌日は、頭が動かなくなり、集中力が低下していました。
移植期間中1回目〜3回目頃までは、食事管理を徹底し、甘い物や油物は避けましたが、明らかに、燃費が良くなり疲れにくい状態になってきました。3回目までは、軽度の頭痛や立ち眩みがあり、6回目終了後は、疲労を感じにくくなりましたが、気圧の変動や、風邪にかかりやすく、体調を崩しやすい状態は改善されておりません。
移植前と比べ、体調が悪いときでも楽に感じることが増え、普段は「少ししんどいな」という時も我慢して学校に行っていたのですが、移植後はそれがほとんどなくなり、朝もすっきり起きて学校へ行ける日が多くなっていました。
ですが、梅雨入りの瞬間に、吐き気、頭痛、倦怠感が2週間続き、登校できずでした。
梅雨明けと同時に、登校再開しましたが、2カ月1回のペースで、感染症にかかっている状態です。
6回目終了後の検査結果次第で、必要であれば、3回追加検討して参ります。
今年は、高校3年生で受験を控えており、移植後は志望校へ向けて目標が出来少しずつ勉強再開しています。この治療を選択して良かったと感じています。
食生活にはどんな変化がありましたか。
Sさんのお母さん:
移植中は間食をまったくしていませんでしたが、移植終了後にラーメンやお菓子を試したところ、最初は大丈夫でも2回目に体調を崩すことがありました。副腎疲労のように起立性の吐き気、めまい頭痛が起きてしまいました。まだ続けて食べるとよくないみたいです。
たまには息抜きに「月1回くらいなら食べても良いかな」と思っています。
Sさんが腸内環境を整えるために続けていること
・自律神経症状が悪化しないための食事パターンを確立しながら基本となる土台作り
・息抜きにジャンクなものを食べる
最後に
Sさんご本人から移植前と比べ、体調が悪いときでも楽に感じることが増え、「しんどいな」という感覚はほとんどなくなった。と教えていただきました。お母さんもSさんの自律神経症状の安定のために、食事パターンを確立されるなどサポートをされています。健康状態と精神状態の安定がすっきりした気持ちにさせてくれていると思います。FMT は魔法の特効薬ではなく、バランスの取れた食事、十分な睡眠といった整った生活習慣があってこそ活かされます。ぜひ、腸内細菌たちと仲良く楽しい毎日を過ごしていただきたいです。
Sさん、Sさんのお母さん、貴重なお話をありがとうございました。
※本記事はあくまでもSさん個人の体験談です。治療効果には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。具体的な治療については必ず専門医とご相談ください