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腸内フローラ移植 体験談 5 免疫チェックポイント阻害薬と腸内フローラ移植の併用効果を実感 虫垂癌

その他疾患

2025.06.21

虫垂癌を発症され、腸内フローラ移植を実施後、現在はキイトルーダ(免疫チェックポイント阻害薬)を6週間ごとに投与しているYさん。

腸内フローラ移植を受けてからは腫瘍マーカーが横ばいで推移し、長年悩まされていた便秘も解消されました。「鎧を剥ぐ薬(キイトルーダ)と、攻撃力を高める腸内細菌の合わせ技でがんを抑え込みたい」と語るYさんに、FMT後の状況、食生活、そして今後についてお話を伺いました。

プロフィール

・疾患名:虫垂癌

・移植期間:2024/11/6〜2025/01/14

・移植回数:6回コース

・移植担当医療機関:医療法人仁善会 田中クリニック

インタビュー

腸内フローラ移植後の造影 CT 検査ではどのような結果が出ましたか?

Yさん主治医より腫瘍が拡大している所見はありません、と聞いてまずホッとしました。『キープできていますね』と言われました。次も6週間後にキイトルーダ(免疫チェックポイント阻害薬)を入れる予定で、今の治療がうまく抑え込んでくれている実感があります。

キイトルーダによる副作用は、服用を始めて半年経って今のところ出ていません。でも、医師からは『1年後に急に出る人もいるので油断しないで下さい』と言われています。抗がん剤ではない免疫療法なので免疫反応が暴走する可能性もあるそうです。

FMT を取り入れた経緯と、主治医の反応を教えてください。

Yさん腸内フローラ移植のことは学術大会にも参加していたので知っていました。手術の後、免疫治療をするにあたって、移植を併用したらどうですかと勧められたので、田中クリニックを受診することにしました。
免疫療法が迫っていたので、移植前のフローラバランス検査の結果を待たずに移植を開始することになりました。

田中クリニックで FMT を受けたあと腸内フローラバランス検査をしたら、腸内細菌のバランスが良い方向に変わっていきました。また、FMT前の検査結果を大阪の主治医の先生に持って行くと、腸内フローラ移植のことをご存知でした。医師の間では話題になっているようです。『医療としてのデータはまだ少ないから、必ず良い結果になるかは分からない。でも、FMTをしていただいて大丈夫ですよ。』とお話しいただきましたが、FMT後には、『結果的にがんを抑えられているのもFMTの効果があるかもしれない』と言っていただきました。

移植担当医の田中先生の印象はいかがですか?

Yさん田中先生は、コミュニケーションがとりやすく、明るく朗らかな雰囲気でした。食事についても、『仕事上、外食が多くなることは仕方ない』とおっしゃってくださいました。食事を自分で選択できる時は、小麦を控えるようにしています。

お悩みだった便秘はいかがですか?

Yさん便秘はかなり解消されました。以前は便が硬くて出にくかったのが、今は普通の便が出るようになりました。便秘が治ったのは良い兆候だと思っています。

FMT終了後、水素NanoGAS®︎水を飲み続けていることも便秘の解消につながったと思います。仕事で関わる人には、勧めたりしています。自分ががんであることや便秘であることを話しているうちに意外と男性の方の便秘が多いことを知り、驚きました。

食事や生活習慣で特に意識していることは?

Yさん最初にダイアリーで食事の状況を提出しました。その後はパン、ラーメン、うどんなど小麦が入っているものはほとんどやめました。甘いものは欲しくなりますが、精製糖は控えています。牛乳は元々飲むことがなく、乳製品はヨーグルトを食べるくらいでした。

今後の治療計画と FMT 追加のタイミングは?

YさんFMT は1クール(6回)を終えたので、田中先生から『3か月ほど様子を見て、必要なら1回ずつ追加しても良い』と言われています。キイトルーダは量を倍にして6週間間隔で継続中です。もともと糖尿病体質なので血糖コントロールも並行してチェックしつつ、次の CT まで現状維持を目指します。

Yさんが腸内環境を整えるために続けていること

  • パン、ラーメン、うどんなど小麦が入っている食品はほとんどやめている
  • 牛乳は飲まないようにしている。
  • 水素NanoGAS®︎水を飲み続けている

最後に

免疫チェックポイント阻害薬と FMT を組み合わせた治療は、2024 年夏から食道がん・胃がん患者さんを対象に臨床研究が始まっています。今回 Y さんが受けられたのは、NanoGAS®︎-FMT 法による併用療法です。Y さんは「腫瘍が大きくならず現状を維持できている」「両治療の相乗効果を実感している」と話してくださいました。こうした所見は移植担当の田中先生だけでなく、主治医の先生からも「FMT が奏功している可能性がある」と評価されています。本症例は、がん治療の新たな選択肢を切り拓く手がかりになると期待されます。

なお、がん患者さんに対する FMT の可能性については、腸内フローラ移植臨床研究会代表理事の田中先生が YouTube で詳しく解説しています。関心のある方はぜひご覧ください。

Yさん、貴重なお話をありがとうございました。

便移植チャンネル:田中先生対談動画(前編)

便移植チャンネル:田中先生対談動画(後編)

※本記事はあくまでもYさん個人の体験談です。治療効果には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。具体的な治療については必ず専門医とご相談ください。

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