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ドナー

国内初の組織的便バンクが誕生。その全貌を公開します。

ドナー

2019.08.05

国内初の組織的便バンクが誕生

便バンク
世の中には、生体試料や臓器を他人から譲り受けるということが一般的に行われています。

血液、角膜、骨髄、心臓、肺、肝臓、腎臓。
人間の細胞、体液は常に入れ替わり続けていることや、構成分子が同じなこと、元素レベルで見れば太古からの使い回しであると言えます。

近年、ここに「便」が加わりました。
便移植とはそれだけのことです。

さらに、ドナーにも患者さんにも肉体的、時間的な負担がさほどありません。

ただ、便移植に対して抵抗のある人が多いです。

基本的に、臓器移植などでドナーの情報が患者さんに伝えられることはありません。

ただ、腸内フローラ移植(便移植)というのは、新しい方法で、知名度も高くありません。
患者さん側がドナーのことが知りたいと思うのは当然です。

腸内フローラ移植臨床研究会では、ドナーに許可を頂き、検査結果の一部や自己紹介などの情報を患者さんにお渡ししていました。

さらに、ドナーの募集から移植菌液にするまでの過程を公開することにしました。

また、これまでシンバイオシス株式会社の中にあったドナーバンクを「JapanBiome(ジャパンバイオーム)」として独立しました。

組織的便バンクのメリット

大学病院などで行われている治験は、ほとんどが二親等以内のドナーを自分で見つけることを条件としています。
その理由は「家族なら嫌悪感も和ぎ、感染症も安心」という配慮からです。

しかし、生活習慣や遺伝情報の似ていない第三者をドナーにするほうが良いという報告が相次ぎ、便バンク方式を採用するところが増加しています。

その多くは、病院で用意したドナーを使用する形式。

この方法では、ドナーの選択肢を増やそうとするとお金がかかるデメリットがあります。

JapanBiomeは、一般財団法人腸内フローラ移植臨床研究会に所属する複数の医療機関で、ドナーバンクを共有しています。

安全なドナー便の確保を容易にする

「安全なドナー便」という定義はまだ曖昧ですが、海外ではすでにある程度の指針が固まっています。
ただし、海外の指針に従うには、ドナーの検査、ドナーの管理、便の管理など、膨大なお金と手間がかかります。
そうなると、医療機関は腸内フローラ移植が選択肢に入らなくなる可能性があります。

[su_highlight background=”#fffe99″]JapanBiomeでは、これらの基準よりも多くの検査を実施し、ドナーを慎重に選んでいます[/su_highlight]。
日本と欧米では、注意すべき感染症などが違うために単純な比較はできませんが、[su_highlight background=”#fffe99″]世界最高レベルのドナー選定基準[/su_highlight]と言えるかと思います。


1件でも事故が起こると、便移植の可能性が見いだされる前に「便移植は危険」というイメージが付く可能性があります。
そのために、検査項目や便の管理、安心安全な体制を目指しています。

日本での腸内フローラ移植は、まだ臨床研究法の対象になっていません。(2019年6月現在)


欧米では、感染症がなければ大丈夫というスタンスのようですが、それでも検査項目は多くなります。

複数の医療機関でドナーを共有することは、安全面はもちろん、経済面、効率面、安定的な供給という側面からも、将来当たり前になるはずです。

[参考]

FMT Protocol
※FMT国内指針運営委員会(アメリカ国立衛生研究所、アメリカ消化器病学会)(外部リンク)   European consensus conference on faecal microbiota transplantation in clinical practice | Gut
※欧州10カ国以上、28人の有識者会議で合意を得たFMTの臨床応用指針(外部リンク) Clinical Trial Protocol Template
アメリカ国立衛生研究所、アメリカ食品医薬品局(外部リンク)

様々なタイプのドナーを在籍させられる

上述したように、ドナーがひとり増えると、検査や管理がとても大変になります。

ただ、一人の便で全患者さんに効くFMT(便移植)という概念には無理があると唱える人が出てきました。
マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学、ケンブリッジ大学の方々です。

The Super-Donor Phenomenon in Fecal Microbiota Transplantation

便移植が注目されだして、スーパードナーの特徴を突き止めよう、みたいな動きがある。
たしかに、ドナースクリーニングで最低限の安全性の確保はいるんやけど、それ以上の特徴は対象疾患によって様々。
一人の便で全て効くような便を見つけるのはやめない?

Abandoning the “One Stool Fits All” Approach

このことから、対象疾患や対象年齢を広げるなら、ドナーの選択肢はある程度多いほうがいいと考えています。

ドナーの募集について

しかし、ドナーは多ければ多いほどいいということではありません。
ドナーが増えるということは、それだけコストがかかります。

腸内フローラ移植を身近な治療法にしていくためには、パターンごとに2名ずつくらい在籍していただくことが理想的です。
そのパターン分け、パターン数などは目下研究進行中ですが、これもドナーを共有しているからこそできることです。

さらに、日本人は欧米に比べて便の量が多いので、その分ひとりのドナーからたくさんの菌液が作れます。

※2019年8月現在、新規のドナーは募集しておりません。


ちなみに、JapanBiomeの詳細については、腸内フローラ移植臨床研究会のサイトで公開しています。
もっと真面目な文章で書いていますので、よかったら。

これから移植を検討される方の安心材料になれば、うれしいです。

該当する記事はありません。

関連サイト

医療従事者向けサイト

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