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腸内フローラ移植臨床医インタビュー 萬先生「腸内細菌(叢)の移植への想い」

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2018.05.08

シンバイオシス研究所では、「微生物との共存共栄」をテーマに掲げ、主に腸内細菌(叢)の移植(腸内フローラ移植)の研究開発を行っています。
実際に患者様に移植を行うのは、「腸内フローラ移植臨床研究会」に所属する臨床医たちです。

今日は、「腸内細菌(叢)の移植が受けられる提携医療機関」のうち、研究会専務理事でもあるよろずクリニックの萬憲彰院長へのインタビューをお届けします。

※文中で「清水式腸内フローラ移植」と呼ばれているものは、当研究所の方法による移植です。

(記事の一番下から、YouTube動画もご覧いただけます)

よろずクリニック

腸内細菌(叢)の移植に注目されたきっかけ

日々、多くの患者様の悩み事や、難病等のご相談を受けているのですが、対処療法でしか対応することができない標準治療が多くあります。

例えば、ステロイドを使わなければいけない難治性のアトピー、うつ、潰瘍性大腸炎などが挙げられますが、「これらは本当に治らないのかな。」と思うことが多々ありました。

色々調べていると、これらの症状の原因が腸内バランスと深い関係を持っていることが分かり、注目をしだしたのがきっかけです。
しかし、これをどうしたら当院で扱うことができるのか、というのは常に私の中で課題でした。

腸内細菌(叢)の移植についてどのようにお考えですか?

今回、清水式腸内フローラ移植について初めて知り、「便移植」と聞いたときには正直びっくり仰天しました。

あらゆる病気の原因のひとつが腸内細菌であることがわかり、食事療法などはどうだろうと考えたことがありました。
もちろん食事療法も大切ですが、口から摂取したものは胃酸にやられて必要な栄養が分解されてしまうのではないか、などと考えたこともありました。

実際すでに欧米では腸内細菌(叢)の移植は行っているとのことですが、腸に直接健康な腸内細菌を入れてしまうという方法は、実は非常に効率的かつ、合理的であることがわかりました。

研究会が推奨する移植のメソッドをお知りなってどう思われましたか?

清水式腸内フローラ移植では、すでに腸内フローラバンクがあることを聞き、とても驚きました。
移植の際には患者様、一人一人の症状に適したドナーを選定し、腸内フローラを調べて保管されているということはかなり画期的で、驚愕の事実でした。

アメリカのマサチューセッツ工科大学ではすでに便バンクがあり、良質なドナーから便を採って保管し、必要な人に投与するような流れができていると数年前に知りました。
「これは日本でもやらなあかん」とは常々思っていましたが、思いつきでできることではありません。
普通の臨床医が腸内細菌のバランスを知れるはずがない、何が良くて何が悪いのかも実際に分かりません。

また、日本の大学の臨床研究で腸内細菌(叢)の移植を行っていますが、ドナーは二親等以内の親族という規格で限定されたなかで、移植を行っています。それで本当に良くなるのか、ということは疑問でもありました。

実際に潰瘍性大腸炎を患っていた方は清水式で移植をし、数回、数名のドナーの方の細菌を移植し、改善したと聞きました。
数名のドナーの中に、スーパードナーがいたということです。

腸内細菌(叢)の移植について今後の可能性を教えてください。

人間の腸に最近は約1.5キロ、子犬一匹いると言われていますが、それが腸内細菌(叢)の移植によってまるまる変わってしまうと、その人の体質が根こそぎ改善されるのではないかと思っています。
例えば移植によって免疫力が上がり、それが過剰な免疫を抑えてくれるとか、身体にとって必要な物質を作り出してくれたとしたら、冒頭で述べた対処療法ではなく、根本的な病気の治療(完治)に使えるのではないかと思っています。

腸内細菌を入れ替えてしまうという行為は、慎重にすすめなければいけません。
しかしその反面で、あらゆる病気の基本の「キ」、を治してしまうようなかなり力強い療法になるのではないかと思っています。

研究会の今後の活動について教えてください

一般の方々や医療関係の方に認知していただくことに力を入れていきます。

きちんとエビデンスをだし、証明する。

このプロセスをひとつひとつ確実に行っていけば、大きなムーブメントを起こせるのではないかと思っています。
期待をしつつ、皆さまのお力を借りて頑張っていきます。

よろずクリニック(鳥取県)への移植相談は、よろずクリニックのウェブサイトからお願いいたします。

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