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症例別FMT自閉スペクトラム症(ASD)

腸内フローラ移植 体験談50|自閉スペクトラム症の息子のためにカナダから来日

自閉スペクトラム症(ASD)

2025.10.28

はじめに

カナダ在住で香港出身のKさんは、自閉スペクトラム症(ASD)の13歳の息子のために、日本での腸内フローラ移植(FMT)治療を受ける決断をしました。米国での研究やSNSで得た情報をもとに、海外在住でありながら日本の医療に信頼を寄せ、治療に踏み切ったその背景には、多くの保護者が共感するであろうストーリーがあります。本記事では、Kさんの体験談を通じて、FMTにたどり着いた経緯、治療中の工夫や思い、そして治療後の変化についてお届けします。

ご家族プロフィール

  • 患者さんの症状:自閉スペクトラム症(ASD)
  • 年齢・性別:13歳・男児
  • お住まい:カナダ(Kさんは香港出身)
  • FMTコース:6回コース
  • 治療施設Baseクリニック赤坂

治療スケジュール

ステップ内容時期
お問い合わせご家族より初回連絡2024年11月
【STEP3】移植準備費のお申込み2024年12月
【STEP4】コンシェルジュ面談2025年1月
【STEP5】オンライン診察①2025年2月
【STEP6】来日・対面診察2025年3月
【STEP7】オンライン診察②2025年5月
【STEP8】FMT移植期間(2週間)2025年6月23日〜7月4日

FMTとの出会い:アメリカの研究とSNSからの情報

KさんがFMTを初めて知ったのは、米国アリゾナ大学で行われていた長期研究からでした。5〜6年にわたり継続されていた研究は、当時FDAの承認を待っている段階で、Kさんは「子どもが16歳になったら米国でFMTを受けさせよう」と考えていたといいます。

その後、世界中の親たちが参加するFacebookグループ内で、難病を抱えた日本人男性が「日本でFMT治療を受ける予定」と投稿していたことが、Kさんにとって転機となりました。残念ながらその男性は治療前に亡くなってしまいましたが、Kさんは「その投稿が私にとって大きな“遺産”になった」と語ります。

「FMT Japan」で検索したKさんは、大阪のクリニックにたどり着き、そこで医師からシンバイオシス株式会社を紹介され、現在の治療につながりました。

日本での治療を選んだ理由

Kさんが日本での治療を迷わず選んだ背景には、「日本の医療システムへの信頼」がありました。

「私は香港出身なので、日本の医療にはもともと信頼がありました。だから、日本でFMTができると知って、ためらわずに決めました。」

実は中国でもカプセル式のFMTが実施されていることを知っていたKさんですが、「日本で受けられるとわかって、全く迷いはありませんでした」と話します。

また、香港でドナーバンクに問い合わせた際には「18歳以下の子どもにはFMTはできない」と断られた経験もあり、日本での受け入れ体制に大きな安心感を覚えたといいます。

信頼できる医療、丁寧な対応、そして受け入れ体制の柔軟さ——。
これらすべてが、Kさんにとって日本を選ぶ決め手になりました。

治療前の不安と事前説明で得た安心感

FMT治療を前に、Kさんが唯一不安だったのは「息子が治療を拒否するのではないか」という点でした。

「ASDの特性がある子どもに、治療プロセス全体をイメージさせるのは非常に困難でした。普通の子どもなら理解できると思いますが、彼のような子どもは理解しません。彼の行動は予測できず、治療中に緊張したり、泣き叫んだり暴れたりするのではないかと、私自身、自信がありませんでした。ASDの子どもを持つほとんどの親が同じような悩みを抱えていると思います。」

そんなKさんにとって大きな安心材料になったのが、移植前のZoom診察での丁寧な説明でした。

「もし彼が治療を始める際に落ち着かず施術が難しい状況だったとしても、1時間ほど待って落ち着かせる時間が取れるということを事前に説明されました。この時間の余裕があるということが、海外からわざわざ渡航する私たちにとってほっと胸をなで下ろすような大きな安心感につながりました。」

Kさんは、クリニックのスタッフが最善を尽くし、お子さんが無理なく治療を受けられるようあらゆる配慮をしてくれるという信頼を持っていました。

「医療スタッフがASDの子供への理解を示してくださるという確信が、親として大きな励みになりました。治療に踏み切るための自信につながる、非常に重要な要素だったと思います。」

費用・言語・決済:海外からの不安は?

Kさんはシンバイオシスの「NanoGAS®︎-FMTサービスの良い点は、費用がとても明確なこと」と強調します。

「費用はすべて開示されており、1ドル単位で不明な点がありませんでした。また英語も通じ、言語面やコミュニケーションで困ることもなく、安心して進められました。」

決済に関しては一部でトラブルがあったものの、これは銀行側のシステムによるものでした。海外からの支払いに必要な手順が今回のFMT申込み時にすべて理解できたため、「次回からはスムーズにできると思う」と話されていました。

治療後の変化:集中力の改善

治療後すぐに大きな変化はなかったものの、2ヶ月ほど経ってから明らかな変化が見られたとKさんはいいます。

「以前は45分ほどしか宿題に集中できなかった息子が、今では90分間しっかり集中できるようになりました。」

学校の先生からも「以前より集中するようになった」と報告があり、本人の持続力が明らかに伸びてきた様子が見られたそうです。一方で、気分の浮き沈みや感情面についてはまだ大きな変化は感じていないとのことでした。

同じ悩みを持つ保護者へのメッセージ

Kさんが一番伝えたいのは、「回復への希望がある」ということです。

「腸内環境と脳のつながり(腸脳相関)は科学的に証明されています。でも一夜で奇跡が起こるわけではないです。ただ、息子の検査結果もグレードDからBへと改善しており、とても良い兆候だと感じています。」

FMTがすぐに“治癒”をもたらすわけではなくても、腸内細菌叢の改善や体調の底上げは、長期的に見れば子どものQOL向上につながる──Kさんはそう信じています、そしてこう続けました。

「たとえASDが完全に治癒しなくても、より良い健康、腸内細菌叢の改善を子供に提供できることは、長い目で見ると特別なニーズを持つ子供にとって良いことだと私は信じています。NanoGAS®︎-FMTサービスを通じ、腸脳相関と、食事に気を付けるべきことについて多くを学びましたので、他の親たちにも広く伝えたいです。」

さらに、日本の医療の高品質さ、プロフェッショナルな対応、そして信頼できるサービスであることも、多くの保護者に知ってほしいと語りました。

治療を受けなかった未来を想像すると…

「もしNanoGAS®︎-FMTを受けていなかったら、息子さんの状態はどうなっていたと思いますか?」とKさんに伺うと、

「たぶん・・・・ですが、何も進展がなかったと思います。衝動的で暴力的な行動がもっと強くなっていただろうし、成長すれば体も大きくなるため、親が支えるのはどんどん難しくなる。生活は本当に大変になっていたと思います。」

Kさんは、ホメオパシーやサプリメントなども取り入れながら熱心に学び、日々のケアに取り組んでいます。それでも、「もしFMTがなかったら…」と考えると、こう話してくれました。

「カナダでは、体に良い食事を手に入れることも、正しい情報を得ることも本当に大変なんです。自分で気をつけようとしても限界がある。はっきりとは言えないけれど、FMTを受けていなかったら、間違いなく“簡単な未来”ではなかったと思います。」

もしFMTを選択した自分自身に声をかけるなら

ちょうど1年前、Kさんは日本でのFMTを検討し始め、その後は最短スケジュールで準備を進めてきました。海外からの渡航を経て、シンバイオシスの「NanoGAS®︎-FMTサービス」を選んだ今、当時の自分に声をかけるとしたら、どんな言葉をかけますか? そう尋ねると、

「That’s life. I have to do it.(もう、人生だからやるしかない)」―Kさんは笑いながらこう答えてくれました。

そして今回の体験を、こんなふうに振り返ります。

「でもね、NanoGAS®︎-FMTサービスを受けられたことは、本当に嬉しく思っています。今回の日本への渡航は、治療だけじゃなく、日本ならではのショッピングもたっぷり楽しめました。香港の人たちは、みんな日本が大好きなんです。」

おわりに

Kさんの体験談から伝わってくるのは、治療への希望、信頼、そして親としての揺るがない決意です。

NanoGAS®︎-FMTサービスでは、抗菌薬を使用せず、独自技術であるNanoGAS®︎技術を用いて、体への負担を最小限に抑えた治療を提供しています。18歳以下の子どもにも治療が可能で、最年少は2歳の実績もあります。

海外からの受診・お問い合わせにも常時対応していますので、ご興味のある方はぜひ当社までご連絡ください(英語での対応も可能です)。

移植をご検討されている方へ

※海外在住の患者さんは医療機関へ直接ではなく、まずは当社へご連絡をお願いします。
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