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腸内フローラ移植臨床医インタビュー 城谷先生「腸内細菌(叢)の移植への想い」

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2018.05.10

シンバイオシス研究所では、「微生物との共存共栄」をテーマに掲げ、主に腸内細菌(叢)の移植(腸内フローラ移植)の研究開発を行っています。
実際に患者様に移植を行うのは、「腸内フローラ移植臨床研究会」に所属する臨床医たちです。

今日は、「腸内細菌(叢)の移植が受けられる提携医療機関」のうち、研究会常務理事でもあるルークス芦屋クリニックの城谷昌彦院長へのインタビューをお届けします。

城谷先生のインタビュー動画「研究会設立への想い」はこちらをご覧ください。

※文中で「清水式腸内フローラ移植」と呼ばれているものは、当研究所の方法による移植です。

(記事の一番下から、YouTube動画もご覧いただけます)

ルークス芦屋クリニック

腸内細菌(叢)の移植と潰瘍性大腸炎の可能性について教えてください

潰瘍性大腸炎の患者様は、腸内フローラバランスが乱れているというのは以前からよく分かっていたことです。
しかし、それをどのように正していったらいいのかという解決策が今まではありませんでした。

そして十数年前よりアメリカで便移植が行われるようになってきて、移植を受けた患者様のなかには体調が良くなったという方がいらっしゃり、腸内細菌(叢)の移植の可能性がにわかに注目されるようになってきました。

日本でも大学で臨床研究を行っていますが、実際のところ体調が改善する人もいれば、そうでない方もいるようで、まだまだ未知の領域であると実感していました。
私も潰瘍性大腸炎の患者として、大学で便移植を受けたのですが、私の場合は残念ながらそんなに効果があったとは言えませんでした。

しばらくたって、清水式腸内フローラ移植の存在を知りました。高い確率で腸内環境が変わって、潰瘍性大腸炎のみならず、さまざまな疾患で良くなられている方が多くいるということを聞き、これは本当に期待の持てる方法ではないか、と感じました。

清水式腸内フローラ移植を実際に受けてみたところ、移植を受けた直後から体の変化を実感しました。私自身が移植を受けて効果を体感しているからこそ、これは期待のできる治療方法なのではないかと確信が持てました。

研究会としては、潰瘍性大腸炎のみならず、他の様々な疾患で困っていらっしゃる難病の方のお役に立てるのではないかと思います。
これから日々、研究を重ねていきたいと思います。

腸内フローラバランスと栄養の関係について教えてください

将来的には、腸内細菌(叢)の移植とあわせて、移植前後の食事指導も患者様へご提案できたらと思っています。

移植前、腸の傷んだ粘膜を修復するために必要なビタミンやミネラルを摂取し、腸内バランスを整えていただく。そして、移植後は患者様一人一人にあったオーダーメイドの食事指導ができたらと思います。
移植したフローラが喜ぶ環境をつくるには、バランスの取れた食事がとても大切です。

栄養療法とあわせてご提案することで、腸内環境が整えば移植の回数も少なくなり、患者様の負担も減るのではないかと期待しています。そのためには患者様の協力ももちろん必要です。
まだまだ未知の領域ですが、研究を重ねて実現できたらと考えています。

フローラバンクについて教えてください

現在大学病院での腸内細菌(叢)の移植は、二親等以内のご家族の方から提供されたフローラを使用し移植をしています。ご家族に限定されたフローラでは、効果が期待できない場合も多いのではないかと考えています。

研究会のフローラバンクは、一般の方から提供いただいています。細かい検査を合格した健全なフローラバランスを持った方々からの便をいただいてドナーバンクを設立しています。
ドナーのなかには「スーパードナー」と呼ばれるような、身体の不調を改善してしまうフローラをお持ちの方もいらっしゃいます。

感染症がないかなどの検査は定期的に行っておりますので、安全な環境の中で、質の高いフローラを患者様に提供できるようなシステムが構築されています。

移植を希望される方の中には、特殊なフローラバランスを持つ、高齢者や小さなお子様もいらっしゃいます。
よりフローラバンクを充実させるため、今後は高齢者や幼児を含む特殊なフローラバランスをお持ちの方々からも、フローラを提供いただくことが増えるかもしれません。

ルークス芦屋クリニック(兵庫県)への移植相談は、ルークス芦屋クリニックのウェブサイトからお願いいたします。

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