三戸岡英樹医師|「患者を診る医療」を追求し続ける内視鏡医がNanoGAS®水を活用する理由

「何でも自由にやりなさい。責任は私が取る。」 研修医時代、須磨赤十字病院で恩師から掛けられたこの一言が、三戸岡…

「何でも自由にやりなさい。責任は私が取る。」

研修医時代、須磨赤十字病院で恩師から掛けられたこの一言が、三戸岡英樹医師のその後40年以上にわたる内視鏡医人生の原点となった。

世界最高レベルの内視鏡開発に携わり、20年連続でBest Doctors in Japan™に選出されながらも、三戸岡医師が一貫して追い続けてきたのは「患者を診る医療」である。

勤務医時代には朝から深夜まで続く内視鏡検査に追われ、多くの患者を診療する日々を送った。
しかしその中で、「診る医療」がいつしか「こなす医療」になりつつあることに違和感を覚えるようになる。

その葛藤の末に選んだのが、全国でも珍しい自由診療専門の内視鏡クリニックという道だった。

現在は、内視鏡医としての豊富な経験を生かしながら、大腸がん予防や患者負担軽減への取り組みの一つとしてNanoGAS®水も積極的に活用している。

なぜ三戸岡医師は自由診療という道を選んだのか。なぜ今も新しい医療技術に挑戦し続けるのか。
そして、患者のために本当に必要な医療とは何か。

三戸岡英樹医師の歩みと、その医療哲学に迫る。

三戸岡先生

患者を診る医療を続けたい―――自由診療クリニック開業の原点

三戸岡医師が自由診療専門の内視鏡クリニックを開業した背景には、「患者を診る医療を続けたい」という強い思いがあった。

「診る医療」から「こなす医療」への違和感

勤務医時代、三戸岡医師は多くの患者から内視鏡検査の予約を受け、朝から晩まで診療に追われる日々を送っていた。

患者の期待に応えたい一心で全力を尽くしていたが、ある時ふと、自身の医療が「診る医療」ではなく「こなす医療」になりつつあることに気付いたという。

内視鏡診療は、一例一例に十分な時間をかけ、丁寧に観察することが極めて重要な医療である。しかし保険診療の枠組みでは、多くの患者を診療しなければ医療機関として成り立たないという現実がある。

「医療の世界では、残念ながら質と量は反比例する側面があります。理想とする医療を追求するには限界があると感じるようになりました」

その思いを決定的なものにした出来事があった。

「看護師がついていけません」と言われた日

神戸海星病院勤務時代、朝から深夜まで内視鏡検査が続くような日々の中、ある日総婦長からこう告げられた。

「看護師がついていけません」

その一言は、三戸岡医師にとって大きな衝撃だった。

患者のために全力を尽くしているつもりだった。
しかしその一方で、現場ではスタッフへの負担が想像以上に大きくなっていたのである。

「その言葉を聞いた時、自分自身だけでなく周囲のスタッフにも無理をさせていたことを痛感しました」

そして同時に、保険診療の枠組みの中で診療件数を増やしながら、一人ひとりに理想とする医療を提供し続けることの限界を改めて認識した。

この出来事は、後に自由診療による開業を決断する大きな転機となった。

自由診療という選択

三戸岡クリニック

2006年、三戸岡医師は全国でも珍しい自由診療専門の内視鏡クリニックを開業する。

開業後は経営的な不安や困難もあった。しかし、「勤務医に戻った方が良かった」と思ったことは一度もないという。

その理由は明快だ。

「自分が理想とする医療を実践できているという実感の方が、はるかに大きかったからです」

患者一人ひとりに十分な時間をかけること。
妥協のない診断と治療を行うこと。
患者と真剣に向き合うこと。

三戸岡医師は開業によって、自身が医師として最も大切にしてきた原点を守ることができたのである。

「何でも自由にやりなさい」――恩師との出会いが決めた内視鏡医としての原点

三戸岡医師の内視鏡医としての原点は、研修医時代に勤務した須磨赤十字病院にある。

そこで出会った恩師・玉田文彦医師の存在が、その後40年以上にわたる医師人生の方向性を決定づけた。

当時の医療現場では、若手医師が自由に挑戦できる環境は決して当たり前ではなかった。
しかし玉田医師は、若い医師に対して驚くほど大きな裁量を与えていたという。

三戸岡医師は当時を振り返り、最も印象に残っている言葉として次の一言を挙げる。

「何でも自由にやりなさい。責任は私が取る。」

若い医師にとって、これほど心強い言葉はなかった。

失敗を恐れず挑戦できる環境があったからこそ、多くの経験を積み、自ら考え、自ら判断する力を身につけることができた。

「振り返れば、この自由な研修環境こそが、その後40年以上続く私の内視鏡人生の方向性を決定づけた最大の原点だったと思います」

内視鏡医療は、常に進化を続ける分野である。

新しい技術、新しい機器、新しい治療法が次々と生まれる中で、現状維持だけでは患者に最善の医療を提供することはできない。

三戸岡医師が現在も新しい技術や機器開発に挑戦し続けている背景には、若い頃に恩師から与えられた「自由に挑戦する姿勢」が深く根付いている。

人として成長し続けるために

そしてもう一人、医師としてだけでなく、人としての生き方に大きな影響を与えた人物がいる。

それが、合気道の師である内田樹氏である。

三戸岡医師は十数年にわたり合気道を続けており、参段の資格を持つ。
医療の現場を離れた場所で、自らを見つめ直し、心身を整える大切な時間になっているという。

合気道は勝敗を競う武道ではない。

相手を打ち負かすことではなく「自らを整え、人として成熟することを目指す武道」であり、「動く禅」とも呼ばれている。

長年医療界という厳しい競争環境の中で生きてきた三戸岡医師にとって、この考え方は大きな転機となった。

「心と体の健康とは何か、人としてどう生きるべきかを学び続ける場として、これからも可能な限り一生続けていきたいと思っています」

医師として成長すること。

…そして一人の人間として成長すること。

三戸岡医師は今もなお、その両方を追い続けている。

世界最先端の内視鏡開発へ―――富士フイルムとの挑戦

三戸岡医師の活動は、診療や研究だけにとどまらない。

30年以上にわたり、富士フイルムの内視鏡開発アドバイザーとして、現場の医師だからこそ見える課題や改善点をメーカーへ提案し続けてきた。

現場から生まれた「EC-450RD5」開発秘話

その中でも特に印象深いのが、大腸治療専用スコープ「EC-450RD5」の開発である。

開発当時、三戸岡医師が提案したのは、大腸内視鏡の挿入性と胃内視鏡の優れた操作性を融合させるという発想だった。

「もっと細かなアングル操作ができる大腸内視鏡があれば、より安全で精密な治療ができる」

現場で感じていた課題から生まれたアイデアだった。

メーカーの開発担当者と何度も議論を重ねながら試作と改良を繰り返し、完成したEC-450RD5は、その後の大腸内視鏡治療において大きな力を発揮することになる。

病変に対する繊細なアプローチを可能にし、EMRやESDといった高度な内視鏡治療を支える存在となった。

「まだ諦めていない開発」がある

しかし、三戸岡医師にとってこの開発は成功談だけでは終わらない。

EC-450RD5は高く評価された一方で、約10年前に製造終了となった。

三戸岡医師は製造終了となったその機種の思想を受け継ぐ後継機の実現を願い、富士フイルムとの対話を現在も続けている。

「後継機を作ってほしいと今でもお願いし続けています」

しかし、医療機器を取り巻く法規制や開発環境は大きく変化し、かつてのようなスピード感で試作や改良を行うことは容易ではなくなった。

そのため、この構想はいまだ実現には至っていない。

「もしかすると、これは実現できないかもしれない」

そう感じることもあるという。
それでも挑戦をやめない。

患者のために「こんな内視鏡があればいい」と考え続けることは、三戸岡医師にとって今も変わらない、絶対に譲れないライフワークだからだ。

診療、研究、教育、内視鏡機器開発。
そのすべてに共通しているのは、より良い医療を患者へ届けたいという思いである。

三戸岡医師は今日もなお、内視鏡医療の未来づくりに挑戦し続けている。

Best Doctorsより大切なこと―――三戸岡医師が考える良い医師の条件

三戸岡医師は、米国発の国際的な医師評価制度「Best Doctors in Japan™」に20年連続で選出されている。

同制度は医師同士の相互評価によって選出されるもので、「自分や家族の治療を任せたい医師」という観点から評価されることが特徴だ。

三戸岡先生

20年連続で選出されることは極めて稀であり、日本国内のみならず国際的な医療コミュニティの中で高い信頼を積み重ねてきた証といえる。

その背景には、三戸岡医師がブラジル・リオグランデ州立大学客員教授を歴任し、米国・欧州・南米など世界各地で講演やライブデモンストレーションを行ってきた、豊富な国際経験もある。

しかし三戸岡医師自身は、賞や肩書き以上に大切なものがあると語る。

「自分の家族だったらどうするか」を考える

三戸岡医師が良い医師の条件として挙げるのは、高度な技術や豊富な知識だけではない。

「目の前の患者を、自分の家族だと思って診療できる医師」

それが最も重要だという。

もし患者が自分の親だったら。
もし配偶者だったら。
もし子どもだったら。

自分はどのような説明をするだろうか。
どのような検査や治療を勧めるだろうか。

その視点を持ち続けることが、患者から信頼される医師につながると考えている。

実際に三戸岡医師は、自由診療クリニックを開業してからも、一人ひとりの患者と向き合う時間を何より大切にしてきた。

それは、患者を単なる診療対象としてではなく、一人の人間として向き合うという姿勢の表れでもある。

「医師は決して患者を騙せない」

三戸岡医師が40年以上の医師人生の中で確信していることがある。

それは、「医師は決して患者を騙せない」ということだ。

医療には、どれだけ経験を積んでも分からないことがある。

将来の経過を100%予測できるわけでもない。

だからこそ、分からないことは分からない、難しいことは難しいと正直に伝える勇気が必要だという。

「患者は、私たちが思っている以上に医師の言葉や態度、表情、そして誠実さを見ています」

知識や技術はもちろん重要である。

しかしそれ以上に、患者に対して誠実であり続けること。

その積み重ねこそが信頼につながり、良い医療につながる。

20年連続でBest Doctorsに選出されてもなお、三戸岡医師が追い求めているのは肩書きではない。

患者一人ひとりに真摯に向き合い続けること。
その姿勢こそが、多くの患者や医師から長年支持される理由なのかもしれない。

大腸がんを減らしたい―――NanoGAS®水を活用し続ける理由

40年以上の診療経験を通じて、三戸岡医師が追い続けてきた問いがある。

「大腸がんで命を落とす人を一人でも減らすにはどうすればいいか」

その答えを探し続ける中で、検査精度の向上だけでなく、患者が検査を受けやすくする工夫にも取り組んできた。

大腸がんは予防できる数少ないがん

現在、日本では大腸がんが極めて重要な疾患の一つとなっている。

しかし三戸岡医師は、大腸がんは決して防げない病気ではないと話す。

大腸内視鏡検査によって、がんになる前のポリープの段階で発見し切除できれば、大腸がんそのものを予防することができる。

また、たとえがんが見つかったとしても、早期の段階で発見できれば内視鏡治療による完治も十分に期待できる。

「大腸がんで命を落とさないためには、症状が出る前に大腸内視鏡検査を受けることが何より重要です」

だからこそ三戸岡医師は、長年にわたり検査の精度向上だけでなく、患者が検査を受けやすくする工夫にも取り組み続けてきた。

患者が最もつらいのは検査前の準備だった

現在では鎮静剤の進歩により、大腸内視鏡検査そのものは以前と比べて苦痛の少ない検査となっている。

しかし、多くの患者が検査をためらう理由は別のところにある。
それが、検査前に行う腸管洗浄液の服用である。

大量の洗浄液を飲まなければならないことを負担に感じ、検査を避けてしまう患者は少なくない。

三戸岡医師自身も長年、多くの患者からその声を聞いてきた。

「検査そのものよりも、前処置がつらいという患者は非常に多いのです」

この課題を少しでも改善できないか。

その発想の中で活用を続けているのがNanoGAS®水である。NanoGAS®水は、腸内細菌叢移植(FMT)の現場でも活用されている技術の一つだ。(https://fmt.sym-biosis.co.jp/about/our-fmt-transplanation

NanoGAS®水が大腸内視鏡検査のハードルを下げる可能性

三戸岡医師は、腸管洗浄液の溶媒としてNanoGAS®水を使用している。

ナノバブルによる洗浄効果によって、より少ない飲用量で、より短時間に前処置を完了できるというメリットがあるからだ。

その手応えを後押ししたのが、実際の患者から寄せられた声だった。

「以前より飲む量が少なく、本当に楽でした。身体への負担感が全然違いました」

検査の質を落とさず、いかに負担なく受けてもらうか。

長年この課題に向き合ってきた三戸岡医師にとって、患者が実感したその変化は何よりの励みとなった。

前処置の負担が減れば、「また検査を受けよう」と思える人が増える。受診者が増えれば、それだけ大腸がんの早期発見や予防につながっていく。

「もし前処置がより楽になれば、大腸内視鏡検査を受ける方が増え、その結果として大腸がんで亡くなる方を減らすことにもつながると思っています」

NanoGAS®水は目的ではなく、大腸がんで命を落とす人を一人でも減らすための手段。
三戸岡医師の目指す理想の医療のひとつが、この小さな泡の水に託されている。

若い医師へ伝えたいこと―――学び続けることが医療を進歩させる

40年以上にわたり内視鏡医療の最前線を歩み続けてきた三戸岡医師。

その経験を通じて、若い医師に最も伝えたいことがある。

三戸岡先生

肩書きよりも「熱量」が集まる学会が面白い

三戸岡医師は、若い頃から国内外の数多くの学会や研究会に参加してきた。

その中で本当に刺激を受けるのは、大規模で権威のある学会だけではないという。

むしろ、

「もっと良い医療をしたい」
「新しいことを学びたい」

という純粋な熱意を持った人たちが集まる場にこそ価値があると考えている。

「規模の大小ではなく、参加者の熱量が学会の価値を決めるのではないでしょうか」

発表者と参加者の距離が近く、自由に意見を交わせる環境。
新しい発想や挑戦が生まれる場所。

そうした学びの場こそが、医療を前へ進める原動力になると感じている。

医療は常に変化している

医療の世界では、昨日までの常識が今日には変わることも珍しくない。

新しい診断技術。
新しい治療法。
新しい考え方。

それらは常に生まれ続けている。

だからこそ三戸岡医師は、医師にとって最も大切なのは学び続ける姿勢だと語る。

「常にアンテナを張り続けることが大切です」

学会や研究会は、単に知識を得る場ではない。
自分の固定観念を見直し、新しい可能性に出会う場所でもある。

「こんな考え方があったのか」
「こんな可能性があるのか」

そんな発見を一つでも持ち帰ることが、次の医療の進歩につながっていく。

学び続ける医師だけが、新しい医療にたどり着ける

三戸岡医師は、40年以上医療に携わってきた今でも、新しい技術や考え方に触れることを楽しんでいる。

それは若い頃と変わらない。

むしろ医療が進歩し続ける限り、自分自身も学び続けなければならないと考えている。

「学ぶことをやめない限り、医療者としての成長も止まりません」

内視鏡医として。
開発者として。
一人の人間として。

挑戦と学びを続ける姿勢こそが、三戸岡英樹医師を支えてきた原動力なのである。

そんな三戸岡医師も登壇する、腸内細菌叢医療の最新知見が集まる学術大会がこの秋に開催されます。

腸内フローラ移植臨床研究会 第10回学術大会のご案内

2026年9月27日(日)、腸内フローラ移植臨床研究会 第10回学術大会が開催されます。

本大会では、自閉スペクトラム症(ASD)に対するNanoGAS®-FMTをはじめ、腸内細菌叢研究の最新知見や臨床現場での実践事例が共有される予定です。

三戸岡英樹医師が語る「常にアンテナを張り続けることの大切さ」を実践する学びの場として、腸内細菌叢医療や予防医療に関心を持つ医療従事者の方はぜひご参加ください。

■ 開催日:2026年9月27日(日)
■ 会場:リーガロイヤルホテル大阪(オンライン同時配信あり)
■ 主催:一般財団法人 腸内フローラ移植臨床研究会
■ 詳細・お申込みはこちら

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